Prologue
2022年 5月。イギリス・リバプールにあったアーティストJamie Reid(ジェイミー・リード)の倉庫にて、数種類、数百枚に及ぶ膨大な2015年制作のシルクスクリーン作品が見つかりました。
それは、かつてジェイミー・リードがSEX PISTOLSの楽曲「GOD SAVE THE QUEEN」のためにデザインしたクイーンがプリントされた作品でした。
2015年当時のジェイミーは、制作意欲はあるものの、クイーンをモチーフにした作品をこれ以上世に出したくないとも考えていた時期であり、悩んだ末に発表することをやめ、そのまま倉庫に保管されることに。
それから7年後の2022年 5月に作品が発見され、さらに半年後の11月、ジェイミーに心境の変化があり、その作品を、世に出すことが決まりました。
しかし、「ただ出すだけでは面白くない」と考えたジェイミーのマネージャーである John Marchant(ジョン・マーチャント)は、日本のマネジメント会社と話し合い「このプリントを使って他のアーティストとコラボレーションをするのはどうだろう?」というアイデアを思いつきました。早速、ジェイミーに相談したところ、「面白そうだ!」と快諾を得ることができました。
商業的に成功していた日本の市場を睨んで、その中でも、音楽とその延長にあるアートを敬愛するアーティスト 河村康輔に、これらの作品のディレクションを任せたいと、すぐに連絡を取り、この計画はスタートしました。
計画の最中、ジェイミー・リードの死去という悲報がありましたが、生前の意思を引き継ぎ、河村康輔を中心に日本のチームは「ARCOVA JAPAN」という組織を立ち上げ、着々と準備を進めました。
Jamie Reid 直筆の文字
ARCOVA(アルコバ)は、ジェイミーが提唱した ANARCHY、COMPASSION、VICTORYを組み合わせた造語であり、ANARCHYのその先にあるもの、未来を指しています。
ARCOVA JAPANは、ジェイミー・リードの貴重なアーカイブ作品を紹介すると共に、生前最後に希望した現代アーティストとのコラボレーション作品を発表し、彼の功績を未来へと繋げていきます。
そして、そこから発表する作品売上の一部は、ジェイミー自身の希望で「平和」のための寄付金として使用されます。
ARCOVA JAPAN、2月28日に始動。第一弾として、ディレクターを務めるアーティスト「河村康輔」とのコラボレーション作品40点、アーカイブ作品15点を発表します。ご期待ください。